タブブラウザ卒業

 6年前からタブブラウザを使い続けているが、そろそろタブブラウザを卒業する時期に来た。タブブラウザはWindows伝統の「ウィンドウ最大化」に非常に適している。この「ウィンドウ最大化」文化は、Word、Excelやゲームなどのように、一つの画面に一つのソフトウェアだけを表示する、という行為には非常にマッチしている。その1つのソフトウェアだけを使い倒すには、それで十分である。

 だが今や、大きなモニタが安くなり画面の解像度も上がり、複数のソフトウェアを同時に動かしても重さを感じる事は少なく、6年前とは環境がかなり進歩している。それにも関わらず、モニタ1個に1つのウィンドウというのは、宝の持ち腐れも良いところに思える。

 確かに、タブブラウザで1度に複数のページを操れるのは、非常に便利だ。だが、逐一タブを切り替えないと、二つの画面を操る事は出来ない。二つの文章を見比べるとか、Web上のリファレンスを小さく表示させながらプログラミングするとか、そういう用途にはタブブラウザは向かない。逐一ウィンドウを切り替えるのではなく、同時に表示されていた方が効率が良いに決まっている。

 InternetExplorerすら進化と称してタブブラウザになってしまったが、それは本当に進化だろうか。マルチウィンドウを上手く使いこなすテクニックを盛り込んでこそ、正当進化になるのではないか。折角Window"s"と複数形なのだから、並行処理が可能という環境が整った今こそ、「タブブラウザ」を卒業して「マルチウィンドウブラウザ」を実現するべきじゃないか。