2024年の私の電子工作の制作振り返り

2024年の趣味の電子工作の制作などを振り返ってみます。

2023年も記事にしています。

74th.hateblo.jp

電子工作のうち、自作キーボードに関することは既に記事にしています。

74th.hateblo.jp

まず、商業誌『改訂新版Visual Studio Code実践ガイド』上梓

電子工作ではないですが最初に、今年の私の出した成果で大きかったものは、商業誌『改訂新版Visual Studio Code実践ガイド』を上梓しました! 2024年1月25日に発売です。改訂新版による更新点は以下の記事にまとめています。

74th.hateblo.jp

Amazon等ネットショップ他、多数の書店でも置いていただいています。

技術書典16、17の新刊

技術同人誌のイベント技術書典への参加は、技術書典3から続けて14、15回目になります。 今年は電子工作に関する書籍を2つ執筆しました。

『USB完全に理解した -通信仕様とコントローラ編-』(技術書典16)

USBを実装してみたいけれど、コントローラのデータシートの意味が全く分かりませんでした。 それを克服するため、USBの仕様について理解を深めた書籍を執筆しました。 USBの物理層、パケットなどプロトコル仕様から始まり、MCUのコントローラの機能と、扱いやすくするライブラリTinyUSBの役割に進んでいくものになっています。 この書籍を通して、コントローラとTinyUSBがどのような役割を果たすのか理解することができました。

詳細は以下に記事にしています。

74th.hateblo.jp

現在でもBoothにて電子/物理書籍を販売しております。

74th.booth.pm

『自宅IoTリモコン全部作る』(技術書典17)

自宅のエアコン、TVなどを、IoT化してスマホから扱えるようにする取り組みを行ってきました。 ESP32を使って、これらをWiFi経由で使えるREST方式のAPIにして、Webアプリから便利に操作しようというアプローチです。 ファームウェア、基板、ケース、Webアプリを構築しましたが、この一連の制作を再現可能な形でまとめたのが本書です。

詳細は以下に記事にしています。

74th.hateblo.jp

現在でもBoothにて電子/物理書籍を販売しております。

74th.booth.pm

電子工作の制作物 - ナンバー付き制作物

多くの電子工作で制作をしました。去年から始めた制作物の通し番号の番号は、未発表のものもありますが、74TH-036から74TH-060へと増えました。それらを紹介します。

ESP32C3 IoT Server [74TH-G035]

同人誌『自宅IoTリモコン全部作る』で扱ったモジュールです。今でも、自宅4箇所にこのモジュールが設置されており、活用しています。 WiFi付きマイコンESP32-C3を使用し、Groveポートが3ポート伸びており、場所に応じて必要なGroveデバイスを接続しています。 3Dプリンタで、お家インテリアとしても許容されるレベルの姿になったのではと自負しています。

ESP32-C3は、機能や性能はESP32/ESP32-S3に比べると低いですが、私の用途では充分であり、そしてお安いので家中にばらまいて、活用しています。

詳しくは同人誌『自宅IoTリモコン全部作る』を見てみてください。 以下の記事にも記載があります。

74th.hateblo.jp

こちらのキットは、Boothでも販売中です。

74th.booth.pm

つくまた、技術書典17では、このキットを展示、販売しておりました。

なお、この基板やファームウェア自体はオープンソースとして公開中です。

github.com

github.com

USB 2.0 Type-C ソケット実装テスタ v2 [74TH-G043]

以前USB-Cソケット実装後の、ブリッジチェックのために作ったテスタのバージョン2を作りました。 私にとって、USB-Cを持った電子工作の制作にはなくては成らない物になっています。 実際に使用している動画をTwitterに上げています。

変更点としては以下となります。

  • USB-Cプラグを採用し、別途ケーブルが不要に
  • USB-Cの両面を同時にチャックできるようにした(v1では片面ずつだった)
  • モジュールの両面にLEDを搭載し、裏返しての確認が不要に

現在でも、Boothにて販売中です。

74th.booth.pm

RP2040手はんだ実装位置合わせ治具 [74th-G044]

自作キーボードキットの制作では、私がマイコンRP2040を予め基板に実装した状態で出荷していました。手はんだで実装していたのですが、0.4mmピッチの実装にはとても神経を使います。これを基板に穴を開けておくことで、位置決めができる治具を作成しました。多くの穴を開けてあることで、汎用的に使うことができます。とても便利です。

これについては記事にしています。

74th.hateblo.jp

使ってもらえるようにBoothでも販売中です。

74th.booth.pm

また、これ自体はオープンソースハードウェアとして、KiCadファイル等を公開しています。

github.com

USB Switch Adapter [74TH-G053]

USBで給電している装置を、プッシュボタンで電源遮断によるリセットをおこなうアダプタを作りました。 ブレッドボード上で実験しているときに、繋ぎ替える前にはこれで遮断するなど、私にとって活用の場が多いです。

この制作については記事にしています。

74th.hateblo.jp

モジュールはBoothにて販売中です。

74th.booth.pm

また、KiCad設計ファイル自体はオープンソースハードウェアとして公開しています。

github.com

キーボード、マウスエミュレータ Grove Key Mouse [74TH-G054]

REST APIでPCをキーボード経由で操作できるようにしたいと思い、UARTでUSBキーボードの入力を与えるCH9329をGroveデバイスにしました。

実際にスマホ経由でPCのスリープを解除するのに活用しています。

モジュールはBoothにて販売中です。

74th.booth.pm

また、KiCad設計ファイル自体はオープンソースハードウェアとして公開しています。

github.com

7セグLED Grove I2Cモジュール 7Seg Grove [74TH-G060]

秋月でセールしていた7セグLEDを購入し、これを使おうと7セグLEDのGrove I2Cデバイスを作りました。I2Cで、整数値を送ると、そのまま表示してくれます。

この制作についてはブログ記事にしています。

74th.hateblo.jp

このモジュールはBoothにて販売中です。

74th.booth.pm

また、KiCad設計ファイル自体はオープンソースハードウェアとして公開しています。

github.com

Grove/Qwiicブレッドボードブリッジアダプタキット[74TH-G048]

Grove、Qwiicデバイスをブレッドボードで使うために、簡単にブレッドボードに繋ぐためのモジュールを作りました。非常に便利です。

このモジュールはBoothにて販売中です。

74th.booth.pm

また、KiCad設計ファイル自体はオープンソースハードウェアとして公開しています。

github.com

Groveデバイスにロジアナを繋げられるデバッグモジュール [74TH-G049]

Groveデバイスを作ることが多いため、その間の通信を見たいことは多くあります。 そのための中間に差し込むデバイスを作りました。

販売は今のところしていませんが、KiCad設計ファイル自体はオープンソースハードウェアとして公開しています。

github.com

ESP32 Writer、UPDIプログラマ化機能付き [74TH-G045]

ESP32への自動ダウンロード機能付きUSBシリアル変換である、ESP32 WriterをCH340Cを使って作っていました。 この改良版を作っていました。

これに、UPDIプログラマ化する機能を付けておきました。

結局小さいモジュールの方が使いやすいため、販売には至りませんでした。

また、KiCad設計ファイル自体はオープンソースハードウェアとして公開しています。

github.com

ESP32 Writer Pro CH9102F [74TH-G058]

今までのESP32の自動ダウンロード機能はMOSFETを2個使ったダウンロード設定回路を作っていました。 これに失敗することがあるため、確実に行えるようにCH32V003を使って作りました。

USBシリアル変換ICには、CH340より性能が良いらしいCH9102を使いました。

こちらの制作についてはブログ記事にしています。

74th.hateblo.jp

Boothで販売中です。

74th.booth.pm

また、KiCad設計ファイル自体はオープンソースハードウェアとして公開しています。

github.com

ESP32-C6開発ボード [74TH-G046]

秋月電子通商でESP32-C6-WROOM-1の取り扱いが始まりました。WiFi6に対応したESP32で遊んで見るべく、開発ボード化しました。

こちらはBoothで販売中です。

74th.booth.pm

また、KiCad設計ファイル自体はオープンソースハードウェアとして公開しています。

github.com

ESP32-H2開発ボード [74TH-G047]

秋月電子通商でESP32-H2-MINI-1の取り扱いが始まりました。これで遊んで見るべく、開発ボード化しました。 手はんだだけでは実装できず、ステンシルが必要なモジュールです。 ステンシルはESP32-C3-MINI-1と同じ物が使えます。既に作っていたステンシルをそのまま使えました。 ProMicroと同じ横幅になりました。

こちらはBoothにて販売中です。

74th.booth.pm

また、KiCad設計ファイル自体はオープンソースハードウェアとして公開しています。

github.com

ケーブルチェッカー [74TH-G057]

1.27mmボックスピンヘッダのケーブルを自作することがあり、このケーブルチェッカーを作りました。

KiCad設計ファイル自体はオープンソースハードウェアとして公開しています。

github.com

RP2350A開発ボード [74TH-G056]

RP2040の開発ボードキットを作っていましたが、RP2350でも同様に作ってみたいと思い、Raspberry Pi Pico 2からMCUを剥がして作ってみました。

RP2350AのMCU単体がまだ手に入らないため、キットの販売はできていません。購入できるようになったら、またキットを販売したいと思っています。

この制作についてはブログ記事にしています。

74th.hateblo.jp

KiCad設計ファイル自体はオープンソースハードウェアとして公開しています。

github.com

Groveデバイスを作る小型ユニバーサル基板 [74TH-G050]

センサーなどを手軽にGroveデバイス化して、ESP32C3 IoT Severで使えるように、Groveデバイスを作るための小型ユニバーサル基板を作りました。実際に、SHT31基板付きモジュールをGroveデバイス化するにに使っています。 私の使うユニバーサル基板は、スルーホール3つごとに接続されたユニバーサル基板を作っています。これにより、配線がスルーホールへの差込で行えるので、使いやすく思っています。 最初は、スルーホールのみの基板としていたのですが、レギュレータやI2C用プルアップを実装可能なバージョンも作成しました。

こちらはBoothでも販売中です。

74th.booth.pm

例によって、リポジトリでKiCadファイルを公開してあります。

github.com

Grove 赤外線LED [74TH-G051]

赤外線LEDのGroveデバイスとしてM5 IRを使っていましたが、数が欲しかったので自作してみることにしたものです。

特にBoothで販売はしていません(今後、何かのおまけでつけることはあるかも)が、オープンソースハードウェアとしてKiCadファイルはGitHub上で公開しています。

github.com

電子工作の製作・楽しみ - 頒布はしてない、トライしたキット編

アナログCPUメーター

ヘッドレスで利用しているシングルボードコンピュータOrangePi5+のCPU、メモリ利用率を表示するデバイスを、アナログ電圧計を使ってつくりました。アナログな動作は見ていて面白いです。

こちらの制作をブログ記事にしています。

74th.hateblo.jp

スタックチャン

会社のメンバーとスタックチャンをつくってみたいという話になり、まず自分でスタックチャンを作ってみていました。

制作にあたって躓いた点などをまとめたブログ記事を書いています。

74th.hateblo.jp

dominoTECHさんのSMD Challenge Badge

dominoTECHさんの頒布するM0604のSMDパーツを実装に挑戦するキットを購入し、挑戦してみました。 最初はLEDが付かず失敗しましたが、秋月で追加部品を購入し、再トライし、うまくいきました。

執筆時点では品切れでしたが、こちらで販売されています。

dominotech.booth.pm

うたたねこさんのCH552T Lチカボードキット

うたたねこさんのCH552T Lチカボードキットを、理系フリマにて購入し組み立ててみました。

Lipoバッテリー充電回路とDCDCコンバータの検証基板

Lipoバッテリーをいつか使いたいと思い、検証基板を作ってみていました。 また、DCDCコンバータの検証も行っていました。

KiCadファイルはこちらで公開しております。

github.com

白Groveケーブル

お家インテリアに白色のケーブルのGroveケーブルが欲しくなりました。 ケーブルの端子の圧着が苦手なため、端子付きケーブルを購入し、ハウジングに差し込むことで作成しました!

AppleMagicTrackpadバッテリーレス化

Magic Trackpadのバッテリーが膨張してしまいました。このMagic Trackpadのバッテリーを取り外して動作することに成功しました。

こちらの記事を参考にしました。

pctextbook.com

イベントへの参加

つくまた出展

つくまたに出展しました! これについて記事にしています。

74th.hateblo.jp

Suzuno32RV発売記念パーティー

三峰スズさんの作成するCH32V203開発ボードSuzuno32RVが発売されました。 CH32V系にトライする機会が増えますね。

bit-trade-one.co.jp

この発売記念パーティーにて、招待トークをさせていただきました。

www.suzu-m.com

こちらでスライドを公開しております。

speakerdeck.com

その他

チラシを作る

Boothで電子工作グッズを販売しておりますが、販売しているものが増えてきました。 これを一覧できるチラシを作りました。購入された場合にはこのチラシを同梱させていただいています。

以下のリンクを見てみてください。

https://showcase.74th.tech/paper.pdf

ショーケースサイトを作った

制作物の一覧のショーケースサイトを作りました。 チラシの[74TH-G050]の番号から簡単に販売物のサイトに辿り着くことができます。

https://showcase.74th.tech/

さいごに

今年も多くの製作をして、電子工作を楽しんできました。今年は、JLCPCBに72のPCB注文を行っていました。 まだやってみたいこともあり、来年も楽しみたいと思います。