自作キーボードには、スイッチを直接実装する代わりに、ソケット部品を実装してスイッチを交換可能にすることが行われます。 私の作っているキーボード Sparrow62v2 もソケットに対応しています。
しかし、2022年くらいから、新設計のソケットが出回るようになりました。ソケットの金属部分に直接はんだごてを当てるのが大変になりました。
なぜこのような設計になったのかはわかっていません。コストなのか、機械実装でマウントしやすいのか、不明です。
これに対して、手でのはんだごてでの実装もできなくもないですが、ヒートガンを使ってみました。
クリームはんだを乗せる
ヒートガンで実装する場合には、線状のはんだではなく、クリームはんだを使います。
注射器の容器に少量はいったクリームはんだを、aliexpress で買って使っています。
また、これを手で簡単に適量押し出せるようにできるキットがあるので、それを使っています。
これでちょんちょんと、ランドの部分にはんだを乗せていきます。
ヒートガンを当てて、はんだを溶接する
ヒートガンは安価なものもあるのですが、安心のマキタ製のヒートガンを使っています。
これでPCBに直接熱風をあてて、はんだを溶接してきます。
ヒートガンは最初熱くなるまでに時間がかかりますが、一度暖まってしまうと、15秒ほど熱風をあてればはんだがシュルっとランドに吸い込まれていき、溶接が完了します。
この時、PCBの下の敷物には、ガラスカッターマットを使いました。
以前は、シリコンマットの上でやってみたのですが、シリコンマットの下のわずかな空気が膨張して、地面が膨らんでしまうと言うことが発生しました。 ガラスカッターマットだとそれがなく安定します。
ただし、シリコンマットと異なってかなり熱を持ち、触るとあちちとなります(やけどはしませんでした)。
時間はかかる?はんだごてよりやりやすい?
はんだごてで実装するよりも、手軽にできる気がします。ただし、1個あたり15秒ほど熱風を当てる必要があるため、トータルの実装にかかる時間ははんだごてと変わらない気がします。
ただ、実装のしやすさははるかに実装しやすいので、今後はソケットのみヒートガンを使っていこうと思います。
他のダイオードなどのSMD部品はヒートガンで熱風を当てると飛んで行きやすいので、はんだごてで良いかなと思っています。
動画をアップしました
この実装の様子の動画をYouTubeに上げました。動画の方が、さくっとできているのが伝わりやすいと思います。
まとめ
クリームはんだとヒートガンを使うと、形状が変わってしまったスイッチソケットでも実装しやすいです。 今後も活用していきたいと思います。