tl;dr
- ジョイスティックをポインタとして使うためのモジュールStickPointVを搭載したキーボードを作ったよ
- ケースが合った方が、操作が安定するのを感じるよ
- もう1年以上使っているけれど、マウスと併用して、活用しているよ
- キーケットで販売したよ、継続してBOOTHでも販売しているよ
ジョイスティックをポインタとして使う StickPointV
私が制作、販売している、ジョイスティックをチューニングしてQMK Firmwareなどのキーボードファームウェアから利用可能にした、StickPointVについては以前の記事で紹介しました。
このモジュールでやっていることは以下のようなことです。
- モジュール自体にマイコンが付いていて、ここでマウス操作に変換して、I2Cで伝えるので、操作感のチューニングがモジュール側マイコンでできるようにしてあるよ
- I2CのプロトコルはPIMORONI Trackballと同一にしてある(元は、パレットシステムさんのAZ1UBALLのアイディア)ので、キーボードファームウェアがPIMORONI Trackballをサポートしていれば、簡単に導入できるよ
- TrackPointキャップをアダプタを付けてジョイスティックに持たせることで、グリップがよく操作しやすくなっている。
- あまりジョイスティックでは、細やかな移動量の操作が難しいため、基本は移動量を小さくして、2 回コツコツっと操作することで、ダッシュモードを実装しているよ
このようにいろいろ手を加えることで、操作しやすくしたモジュールです。モジュール単体でBOOTHで販売中です。
このモジュール専用キーボードを設計
このモジュールを使うための専用キーボードを設計しました。以前、汎用ケースを使ったSparrow59を設計しましたが、その延長戦で汎用ケースを使ったキーボードを作りたいと思っていました。
StickPointVには、裏にGroveポートが付いていて、I2Cで通信するようになっています。このGroveポートをキーボードにも足して、さらにケーブルを通すための穴を開けてました。これをSparrow60Cと名付けました。
Raspberry Pi Pico利用も回り道したが、RP2040直接実装へ
安価なGH60互換プラスチックケースの空間を計り、ロープロファイルソケットを使って、ピンヘッダのピンのみを付けた方法ならば、Raspberry Pi Picoが交換可能ながらケースに収まることを発見し、その方法をとっていました。ロープロファイルソケットをコンスルーピンヘッダの代わりにする記事を以前書いており、その手法を使った次第です。
しかし、プラスチックのGH60互換ケースならば収めることができましたが、アルミ削り出しケースでは収めることができませんでした。天キーで多くのキーボードを観た私は、アルミ削り出しケースに憧れており、このケースに対応したPCBとして、RP2040を直接実装するように変更しました。
そこでできたのが、Sparrow60 v1.3になります。
GH60対応PCBのスタートはRP2040直接実装だったのですが、実装の困難さからPicoの利用にシフトし、またRP2040直接実装にも取ってきた形になりました。この間に、RP2040の直接実装にかなり慣れたのもあります。
使用感は?
プラスチックケースの時にはDurock Black Lotusを使っていたのですが、アルミ削り出しケースに変えてからはHHKB Studioに憧れてKailh Deep Sea Silent Box Switch Isletに置き換えていました。
例の静音リニアスイッチ(Kailh Deep Sea Silent Islet)が届いたのでつけてみた。
— 74th (@74th) November 24, 2023
静音スイッチ全般ののぐにゃっとした感じが苦手だったけど、これならいけるかという気になってくる。 pic.twitter.com/CqEJam7O91
このスイッチの感触が凄く良く、とても満足の高い打鍵感になりました。
肝心のStickPointVはどうかというと、特に問題なく使えています。やはりケースに収まって、ケースの重さがあるため安定性が増しているように思います。
キーケットで販売しました
制作したSparrow60Cは、自作キーボードの展示即売会、キーケットにて販売しました。
#キーケット 設営しました!
— 74th (@74th) March 2, 2024
B-11 に体験しに来てください! pic.twitter.com/ywgzgK9Rpn
本商品を2セット購入いただきました。ありがとうございます! 更に体験していただいて、StickPointVモジュールも完売する結果になりました。
現在はBOOTHにて販売中
このキットは現在、BOOTHにて販売中です。StickPointVモジュールが付属します。
ジョイスティックモジュールStickPointV自体も販売しております。