読了『ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学』岡嶋裕史2008

ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学 (光文社新書)

ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学 (光文社新書)

初めに言うと内容は薄い。一般の企業がシステムを発注することになったが、SEとかそう言う人たちとどう付き合えばいいか、という内容なのだが、結局作者が言いたいことは「発注側なんだから臆することなくシステム屋とコミュニケーションとりなさい」に尽きてしまう。本当に、ただそれだけのことしか書いてない。

いや決して、つまらない本というわけではない。作者は一応SE側の人間になるわけだが、その作者の言い回しがSEじみてなくて面白い。その上資格マニアであったりと、本の内容よりも作者に興味が出てきた。

(SEに対して、営業さんの説明にて)
この営業さんはIT企業にとって神にも等しい存在である。技術者がコンピュータというおもちゃを使って遊んだ結果得られる成果物を金に換えてくれる魔術の持ち主だからだ。
(本文p,62)

終始こんな感じなのだ。昔作家を目指していた見習いSE(?)としては、こんな文章を書いて飯が食えることがとても羨ましい。